箕面で子供の嘔吐なら【玉谷キッズクリニック】|小児科専門医が安心の医療を提供

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嘔吐

箕面で子供の嘔吐なら【玉谷キッズクリニック】|小児科専門医が安心の医療を提供

子どもの嘔吐について

「急に吐いてびっくりしたでも熱はないし、様子を見てもいいのかな」
「何度も吐いていて、脱水が心配」
「病院に行くべきタイミングがわからない

小さなお子さまが突然吐くと、保護者の方はとても驚き、心配になりますよね。嘔吐は乳幼児にとってよくある症状のひとつですが、一時的なものから命に関わるような病気まで、原因はさまざまです。

このページでは、小児科専門医の視点から、嘔吐の見分け方、考えられる原因、受診のタイミング、家庭での対応、治療方法などをわかりやすくご紹介します。お子さまが嘔吐したときに、慌てずに行動できるようお役立ていただければ幸いです。

治療の説明

嘔吐の治療では、まず原因を見極めたうえで、脱水を防ぐことを最優先に対処していきます。

治療の基本方針は以下の通りです:

  • 一時的な嘔吐:経口補水液などで水分補給しながら様子を見る
  • 感染性胃腸炎:脱水予防と対症療法が中心
  • 頭部外傷や脳炎・髄膜炎など:早期の専門的治療が必要
  • 腸重積や虫垂炎など:緊急性が高く、速やかな処置が必要

診断方法

診察では、次のような項目を総合的に確認します:

  • 嘔吐の回数、タイミング(食後・朝方・夜間など)
  • 吐いたものの内容(ミルク・胃液・血液など)
  • 熱・下痢・腹痛・頭痛などの他の症状
  • 食欲・水分摂取の状況、尿量
  • 顔色・機嫌・意識レベル
  • 腹部の触診
  • 必要に応じて血液検査、尿検査、腹部エコー、頭部CTなど

こんな場合は必ずご相談ください

✓ 何度も嘔吐し、12時間をこえて水分がとれない
嘔吐とともに高熱やぐったり感がある
血が混ざった嘔吐、コーヒー色・緑色の嘔吐
頭を打ったあとに嘔吐した
吐いたあとも繰り返し泣き止まない、またはぼーっとしている
嘔吐に加え、おなかを激しく痛がる

症状

:突然の嘔吐

急に吐き、驚かれるケースが多いです。多くはウイルス性胃腸炎や一時的な消化不良などが原因ですが、繰り返す場合や他の症状があるときは注意が必要です。

:繰り返しの嘔吐

短時間で何度も吐く場合、脱水リスクが高くなります。水分がとれない、尿が減っている、ぐったりしている場合は医療機関を受診しましょう。

:吐いたあとのぐったり感

吐いたあとに元気が戻らない、反応が鈍いなどの場合は重症疾患の可能性があります。すぐに受診が必要です。

:咳き込みによる嘔吐

強い咳が続いた後に吐くことがあります。風邪や後鼻漏、咳喘息などが背景にあるケースです。咳そのものの治療が必要です。

:食事やミルクのたびに吐く

乳児の場合、ゲップが苦手で嘔吐につながることもあれば、胃の出口が狭くなる病気、逆流症によってミルクを吐くことがあります。体重が増えていない、機嫌が悪いなどがあれば病的な嘔吐の可能性があります。

考えられる原因

:ウイルス性胃腸炎

最も多い原因です。ノロウイルスやロタウイルスなどが代表で、嘔吐のほかに下痢や発熱を伴うことがあります。家庭内感染にも注意が必要です。

:食べすぎ・消化不良

一時的に胃に負担がかかり、吐いてしまうことがあります。食後すぐの激しい運動や、油っこい食事などが原因になることもあります。

:腸重積症

乳幼児に多い腸の緊急疾患です。繰り返す嘔吐と激しい腹痛、いちごジャム状の血便が特徴です。放置すると腸が壊死する危険もあるため早期対応が必要です。

:頭部外傷・脳の異常

激しく転倒し頭をぶつけたあとに吐く場合、脳震盪や頭蓋内出血の可能性もあります。また、けいれん・意識低下・首の硬直などがある場合は脳炎や髄膜炎の可能性もあります。

:心因性の嘔吐

登園や登校前に繰り返す嘔吐など、ストレスや不安が関与しているケースもあります。心理的な要因も視野に入れて対応する必要があります。

ホームケアについて

:水分補給のタイミングと方法

吐いた直後は無理に飲ませず、30分ほど経ってから少量ずつ(スプーン1杯程度)頻回に与えるのが基本です。経口補水液(OS-1など)が最適です。

:無理に食べさせない

食欲がないときは無理に食事を与える必要はありません。嘔吐が止まり、水分が摂れるようになってから、消化の良いもの(おかゆ、りんごのすりおろしなど)を少量ずつ与えましょう。

:安静に過ごす

吐いた後は体力が消耗しています。室内で静かに過ごさせ、しっかり休息をとりましょう。

:感染予防(ウイルス性胃腸炎の場合)

家族への感染を防ぐため、手洗いや消毒、嘔吐物の処理には注意が必要です。石ケンでの手洗いや、床などは塩素系の消毒液(次亜塩素酸ナトリウム)が効果的です。

:排尿と機嫌のチェック

水分がとれていれば尿が出るはずです。排尿の回数や機嫌、反応などを観察し、変化があればすぐに受診しましょう。

治療方法

:経口補水・点滴治療

軽度の場合は経口補水液で対応しますが、吐き気が強く飲めない場合は点滴治療が必要です。

:吐き気止めの使用

必要に応じて、吐き気を抑える薬を使用します。症状や年齢によって、内服薬や座薬、点滴に含まれる薬が選択されます。

:整腸剤の使用

ウイルス性胃腸炎や軽い食あたりなどでは、腸内環境を整える整腸剤が有効な場合があります。

:原因疾患の治療

腸重積や虫垂炎、脳炎などが原因の場合は、原因に応じた専門的な治療(整復、手術、ステロイド投与など)が行われます。

:心理的サポート

心因性の嘔吐が疑われる場合は、生活環境の見直しや、必要に応じて心理的サポートをや必要に応じて内服薬の調整を行います。

よくあるご質問

Q1回だけ吐いて元気そうです。受診は必要ですか?
A
1回のみで元気、食欲もあるようなら経過観察でも構いません。ただし、繰り返す場合や他の症状がある場合はご相談ください。

Q:吐いたあと水を飲ませたら、また吐きました。どうすれば?
A
:すぐに飲ませると再び吐いてしまうことがあります。30分〜1時間ほど空けて、少量ずつ与えてみてください。

Q:吐いたものに血が混ざっていました。大丈夫ですか?
A
:何度も吐くと、喉や胃の粘膜が傷ついて少量の血が混ざることもありますが、量が多い場合や続く場合は必ず受診してください。

Q:嘔吐があるとき、保育園や学校に行かせていいですか?
A
:嘔吐後は一定期間、感染予防や体力回復のために自宅での安静が望ましいです。また、下痢を伴う時には便の中に腸炎ウイルスがいるため、ある程度下痢が落ち着いてからの登園となります。

Q:頭を打ったあとに吐きました。どうすれば?
A
:頭部外傷後の嘔吐は、脳に異常があるサインの可能性もあります。吐くのも1回で元気であれば大丈夫ですが、意識状態や顔色などを確認し、悩むような状態であれば、すぐに受診してください。

嘔吐は、よくある症状だからこそ「様子を見ていいもの」と「すぐに受診すべきもの」の見極めがとても大切です。保護者の方の冷静な判断と行動が、お子さまの健康を守る第一歩となります。

少しでもご不安がある場合は、遠慮なくご相談ください。