低身長|玉谷キッズクリニック【箕面市船場西の小児科】

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低身長

低身長|玉谷キッズクリニック【箕面市船場西の小児科】

治療で身長を伸ばせるかもしれません

治療で身長を伸ばせるかもしれません

低身長とは一定基準より身長が低いこと(医学的には-2SD未満)をいいます。同じ年齢の子が背の順に100人ならんだ時に前からおおむね2~3人目までの低さです。体質的に小柄な子がほとんどですが、中には成長にかかわる「成長ホルモン」の分泌が不足していることなどが原因で身長が低い場合もあります。その中には、成長ホルモンの治療が適応となるものがあり、治療により身長を伸ばせる可能性があります。

低身長の診療は具体的に何をするの?

成長曲線の作成

まずは、今までの身長のデータを整理し、成長曲線を作成します。成長曲線をみるだけで、病気の原因が推定できるケースもあります。できるだけ多くのデータがあるほうが正確な判断ができますので、母子手帳や、幼稚園・保育園・学校での成長の記録が大事になります。

問診と診察

次に、問診と診察です。食事や睡眠の状況、現在治療中の病気や内服しているお薬など、何か成長のさまたげになっている要因がないかどうかを確認していきます。診察の中では、心臓や皮膚の異常がないか、肝臓がはれていないか、などをみていき、体に悪影響のある病気がなさそうかどうかのチェックをしていきます。

血液検査

診察・問診をふまえて、必要な方には血液検査を実施します。成長にかかわる成長ホルモンや甲状腺ホルモンをチェックしたり、肝臓や腎臓の数値をチェックし病気がないかのスクリーニングを行います。場合によっては、染色体というものを調べる必要がある方もあります。診察と検査で、何か大きな病気が疑われる場合には、総合病院や大学病院などを紹介させていただきます。

精密検査(成長ホルモン分泌刺激試験)

一般的な血液検査だけでは、厳密には成長ホルモンの分泌が正常かどうかはわからないので、精密検査が必要です。成長ホルモンの分泌を一時的に刺激するお薬を使い、正常な反応かどうかをみます。反応がすくなければ、成長ホルモンの分泌が弱い、ということになりますが、異常がなくてもたまたま反応が悪く出てしまうことがあるので、最低2回は検査が必要となります。検査時間そのものは1回あたり2時間で、午前中に行う必要があります。詳細は外来で説明させていただきます。

低身長の原因について

低身長にはさまざまな原因があります。以下では、いくつかの主な原因について解説していきます。

体質的なもの(正常)

身長は遺伝的な要素が大きく影響します。両親が小柄である場合、お子さんも小柄になる可能性が高いです。これは「家族性低身長」とも呼ばれ、健康上の問題はありません。成長曲線をみて、成長が一定の範囲内にあるようであれば、それはその子供にとって正常な成長を示していると考えられます。

栄養不足に伴うもの

子供の身長成長には、適切な栄養が必要不可欠です。良質のタンパク質やビタミン、ミネラル等は骨や筋肉の成長に必要な要素です。とくに大事なのはエネルギー源である「炭水化物」です。炭水化物が不足すると、エネルギー不足から成長障害につながります。食べる量が少ない、栄養バランスに偏りがある、という場合以外に、激しいスポーツをすることで相対的に栄養不足に陥っている子もいます。

成長ホルモン分泌不全性低身長

成長ホルモン分泌不全性低身長は、成長ホルモンの分泌が不十分であることで身長が低くなる病状を指します。成長ホルモンは骨や筋肉の成長を促進する大事なホルモンです。精密検査(成長ホルモン分泌刺激試験)まで行い、診断されます。治療は成長ホルモンの補充です。

SGA性低身長

SGA(Small for Gestational Age)性低身長とは、出生時に身長や体重が、同じ妊娠週数の平均値よりも一定以上小さいお子さんの中で、3歳になっても低身長が続く状態を指します。SGAのお子さんも成長ホルモン治療の適応となります。

ターナー症候群

ターナー症候群は、女性にのみ見られる染色体の異常で、全身の細胞が通常2つあるはずのX染色体のうち1つが欠けている、または部分的に欠けている状態を指します。ターナー症候群の女性の多くは身長が低くなり、また幼児期には中耳炎によく罹患したり、女性ホルモンの不足から二次性徴がおこらず無月経であったりします。低身長に対しては成長ホルモン補充の適応となりますが、付随する症状に対して様々な検査が必要であったり、女性ホルモンの補充も必要となるため、診断は非常に重要です。

その他

甲状腺ホルモンの不足や、慢性腎不全、骨の形成不全など、様々な全身性疾患で低身長の原因となりえます。問診・検査でそれらが隠れていないかを確認していきます。

成長ホルモン治療

精密検査をした結果、成長ホルモンの分泌が不足していると考えられる結果になると、足りない分の成長ホルモンを補充することで身長の改善が見込まれます。成長ホルモンは注射製剤で、自宅で注射をしていただくことになります。ご自身で針を刺すことは最初は抵抗があると思いますが、1~2週間で慣れる方がほとんどです。どのようにしていくのか、など最初に丁寧に説明させていただきます。

成長ホルモン以外に身長を伸ばす方法はないの?

問診や診察、検査をした結果、体に異常なく、成長ホルモンの問題もないという方のほうが実際には多いです。成長ホルモンも大事ですが、日常的に大事なのは、食事・睡眠・運動です。バランスの悪い食事であったり、そもそもほとんど食べなかったり、夜更かしばかりしたり、運動を全くしないようだと身長に悪影響となります。ただ、食事ひとつとっても、どんな食事がいいのかイメージがわかなかったり、工夫したけどうまく行かないケースもあると思いますので、その場合は、一緒に解決策を考えていき、少しでも健やかな生活になるようお手伝いさせていただきます。

気になったら、まずはご相談を

気にはなるけど、いまいち自分の子供に検査が必要なのか、治療を受けた方がいいのかわからない、という方はぜひ一度ご相談ください。状況をチェックさせていただき、必要な検査があれば案内させていただけますし、問題ないようでしたらご安心いただけると思います。