インフルエンザの予防投与とは?費用や副作用、対象者について解説
インフルエンザの予防接種を受け、日々の手洗い・うがいを心がけていても、残念ながら完全に感染を防ぐことはできません。
そのような中で、特定の状況下では抗インフルエンザ薬による予防投与という選択肢があります。
積極的にお勧めする治療ではありませんが、一部、必要と考えられる方もあるため、説明させていただきます。
予防投与とは
予防投与とは、インフルエンザに感染する前に抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザなど)を服用することで、感染リスクを低減する方法です。
抗インフルエンザ薬を使うことで、70~80%の発症予防効果があると言われています。
同居の家族がインフルエンザを発症した時に、他の家族が発症することを防ぐ目的で行うのがインフルエンザに対する予防投与です。
対象となる方
基本的には、以下のような方々が主な対象となります。:
●インフルエンザ患者の同居家族で、以下に該当する方
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- 65歳以上の高齢者
- 慢性呼吸器疾患・慢性心疾患をお持ちの方
- 糖尿病などの代謝性疾患の方
- 腎機能障害のある方
●その他、特別な事情により発症を避ける必要性が高い方 (例:受験生、重要な仕事が控えている方など)
重要な注意点
●自費診療となります
- 診察料:4,000円(当院での価格)
- 薬剤費:3,000円~6,000円程度(薬局での支払い:薬剤の種類でかわりますので薬局にお問い合わせください)
- 保険適用外のため、保険証はご使用いただけません
●診察が必要です
- 予防投与の必要性を判断するため、必ず診察を受けていただきます
- お電話での処方は行っておりません
- すでに発症していると考えられる場合には、治療としての処方になります
●完全な予防法ではありません
- 予防投与を行っても100%の予防効果はありません
- 投与中でも発症する可能性があります
- 例えばタミフル予防投与中に発症した場合は、治療の内服に切り替えます
4.副作用について
- いずれの抗インフルエンザ薬も一般的に安全性の高い薬剤ですが、まれにアレルギー反応などが起こる可能性があります
- 異常行動との関連性は低いと考えられています。こちらのブログ記事を参照ください。
予防投与の実施方法
- まずは当院に受診のご予約をお願いいたします(WEBから一般診察の予約をお願いします)
- 診察にて予防投与の必要性を判断させていただきます
- 処方が必要と判断された場合、院外処方箋を発行いたします
- タミフルであれば、通常は1日2回5日間の内服ですが、予防投与は1日1回10日の内服です。
- イナビルは吸入が1セットで終わります。十分吸える年齢でないと効果がありません。
最後に
予防投与は、あくまでも特別な状況下での選択肢の一つとして位置付けております。通常は、予防接種や基本的な感染対策を中心とした予防をお勧めしています。
ご不明な点がございましたら、お気軽に当院スタッフまでお問い合わせください。