実は血液検査で食物アレルギーはわからない|玉谷キッズクリニック【箕面市船場西の小児科】

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実は血液検査で食物アレルギーはわからない|玉谷キッズクリニック【箕面市船場西の小児科】

実は血液検査で食物アレルギーはわからない

アレルギーは、多くの方が気になるものだと思います。

アレルギーを調べたい、と思った時に血液検査を思い浮かぶ方は多いと思うのですが、実は注意点があります。

それは、「血液検査でアレルギーの断定ができない」ということです。

そのことについて、今回の記事では解説していきます。

 

 

血液検査でアレルギーについて調べることはできます。

 

アレルギーについて、病院を受診して相談をしたときに、アレルギー検査を受けましたという方は少なくないと思います。アレルギーの検査には血液検査と皮膚検査があり、血液検査を受けたことがあるという人も少なくないのではないでしょうか?
よくある質問は「特に症状はないのですが、アレルギーが心配なので、血液検査をしてほしいです」というものですが、この理由での検査を実はおすすめしていません。順番に解説していきます。

 

 

実は、血液検査の結果は参考程度

血液検査の数値があがっていても、実はアレルギーではなかった、ということもかなりあります。

たとえば、2歳以上の子で、アレルギー検査の結果で陽性判定となるレベルでも80%ぐらいのお子さんでは牛乳を飲んでも問題はないという数値もあります(プロバビリティカーブ参照)。

つまり、血液検査だけではアレルギーの判断はできないんです。一番大事なのは、状況証拠。食べて症状がでているのか、が最も重要です。

仮にアレルギーの数字が高くでも、ぱくぱく食べれるなら問題ないので、どのような実際に食べても問題ないかの確認が血液検査よりも優先されます。

アレルギーの検査結果を鵜吞みにして、食物を除去して食べないようになってしまうと栄養不足、栄養の偏りといったリスクがでてきてしまうため、しっかりとした問診で状況をチェックをしていく必要があります。

 

 

無駄に食事除去をしてしまっていた時期もあった

少し前ですが、よく聞くことがあった話のひとつとして、

「前から牛乳を飲んでいたんですけど、アレルギーの検査をしたら数値があがっていたので、医者から飲むのをやめるように言われました。飲んでも何も症状出てなかったんですけど、やめたほうがいいんですよね?」

アレルギー検査が普及しはじめたころにあったことですが、とりあえずを検査をして、反応があった食材を手当たり次第除去していく、というやり方でした。

しかし、さきほどの話のように、そもそも数値が反応しているだけでは、アレルギーかどうか、そもそも分からないんです。

そして、除去する食材が増えていくと栄養不足にもなるし、さらに食事を作る親御さんからすると料理の制限が強くなり食事を準備することがどんどん苦痛になってしまいます。

つまり、とりあえず検査をして、とりあえず除去をしましょう、というのは避けなければいけません。

 

 

どういう時にアレルギー検査を受けるべき?

では、どういう時にアレルギー検査を受けたほうがよいのでしょうか?

・実際に食べて症状が出た時
・除去解除を考える時

実際に食べて症状が出た時

何か、食材を摂取して症状が出たときには、アレルギー検査を考慮します。例えば、はじめてパンを食べて15分後に全身にじんましんが出た、というような時です。この場合だと小麦アレルギーの可能性が高いので、検査をしてより診断を固めていきます。

 

除去解除を考える時

パンを食べて症状があり、血液検査でも数値が高かった、という場合であれば、小麦のアレルギーを考えられるので、小麦の除去を指導します。しかし、永遠に小麦は食べれないのでしょうか?小さいの時の食物アレルギーは自然に治っていくこともしばしばあります。

ただ、全身じんましんが出たことのある食材をもう一度食べる時には、また症状が出るかもしれませんので食べてよいかどうかの判断には注意が必要です。

その時の参考として、血液検査が使えます。1年前よりも数字が下がっている、という状況があれば食べれるようになっているかもしれませんし、数字があがってしまっていたばもう少し待った方がいいかもしれません。そういう次の作戦の判断材料として血液検査は有用です。

 

 

まとめ

食物アレルギー念頭においた血液検査についてお話しました。血液検査は有用なものではありますが、「とりあえず」「念のため」でするのはデメリットが多いものでもあります。問診の上、アレルギーを考える場合には非常に有用なもので、今後の治療に役立てられるものではあるので、必要な人には積極的に行っていくことは重要です。

今回の記事を読んでいただいても、「結局、自分は検査を受けたほうがいいんだろうか?」と疑問がすっきりしないようでしたら、一度受診してご相談ください。

お待ちしております。