なぜ今、麻疹(はしか)が話題になっているのか?感染経路と予防の注意点について解説|玉谷キッズクリニック【箕面市船場西の小児科】

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なぜ今、麻疹(はしか)が話題になっているのか?感染経路と予防の注意点について解説|玉谷キッズクリニック【箕面市船場西の小児科】

なぜ今、麻疹(はしか)が話題になっているのか?感染経路と予防の注意点について解説

なぜ今、麻疹(はしか)が話題になっているのか?

2023年にも新幹線の中で、麻疹(はしか)に感染している人がいて、同じ車両ではありましたが、離れた座席の人にもうつったということが話題となりました。また2024年2月下旬に海外から大阪にむかう飛行機内でも麻疹(はしか)の感染が数名確認されています。

最近、めったにみることがなくなったため、どんな病気かイメージしにくい人も多いと思いますが、世界的に見ると麻疹はまだ根絶されておらず、一部の地域では、ワクチン接種率の低下や、経年による抗体価の低下、移動の自由などの社会的要因が組み合わさり、散発的に発生があります。また、グローバルな旅行の増加により、麻疹は簡単に国境を越えて広がる可能性があり、ワクチン接種が十分に行われていない地域では、大規模なアウトブレイクが発生するリスクが高まっています。

 

麻疹(はしか)にかかると、どんな症状が出るのか?

麻疹(はしか)は10日前後の潜伏期の後、38~39℃ぐらいの高熱が2~4日続き、咳、鼻汁、くしゃみや眼瞼結膜の充血や目ヤニもみられます。この時をカタル期といい、ぐったりと鼻水や目ヤニなどの分泌物で顔がぐじゅぐじゅになるイメージです。また口の中にコプリック斑という麻疹(はしか)特有の白い斑点がみられます。カタル期のあと、一旦熱はさがりますが半日ほどでまた熱がでてきて、全身に暗赤色調の発疹が出現してきます(発疹期)。5日前後の発疹期を経て、合計7~9日ほどの経過のあと、回復期に入り熱は下がり、発赤も退色、一部色素沈着をのこし7~9日の経過で回復します。

 

 

麻疹(はしか)は、どのようにして感染するのか?

麻疹ウイルスは、感染した人の咳やくしゃみによって空気中に放出されます。麻疹ウイルスは、空気中で数時間浮遊し続けることができ、いわゆる「空気感染」をひきおこします。普通のカゼであれば、マスクをしてある程度距離をとっていれば感染を防ぐことができますが、麻疹に感染した人がいた場所に後から入ってきた人にも、その空気を吸い込むことで感染するリスクがあります。新幹線や飛行機であれば、先頭座席に感染者がいると、一番後ろの座席の人にも感染をしてしまう、というなかなかやっかいな感染力をもつウイルスです。

 

 

麻疹(はしか)の予防法

手洗いやマスクで麻疹(はしか)は防げるの?

一般的な風邪のウイルスや、新型コロナウイルスであれば、手洗いやマスクの着用が感染予防には効果的です。しかし、麻疹(はしか)に関しては空気中にウイルスが浮遊し続けることから、マスクなどでは防げません。自宅などで今からできることとしては換気が大事とはいえます。

日常的な対策ではかなり予防が厳しいことから、最も効果的な麻疹の予防方法は、ワクチン接種です。麻疹、風疹を予防するMRワクチンは、子供たちに広く推奨されていて定期接種のワクチンになっています。通常、1歳と幼稚園の年長さんの学年の2回の接種が推奨されます。成人で未接種の場合や、2回の接種記録がない場合には、接種を検討する必要があります。

 

 

麻疹(はしか)のワクチン:MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)

MRワクチンは、非常に効果的で安全です。2回の接種で、100%に近い予防効果があります。ワクチン接種によって自身が麻疹から保護されるだけでなく、集団免疫を形成し、麻疹の大流行を防ぐことができます。1歳や、年長さんの学年になっていて、接種をまだ受けておられない方は早めに接種をしていきましょう。逆に言うと、定期接種の年齢ではない1歳未満のお子さんや、大人の方で、接種歴不明の方、接種から期間があき抗体価が下がっている可能性がある方は十分に感染に注意する必要があります。

 

 

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