のどの写真で簡単診断!インフルエンザ検査デバイス『nodoca(ノドカ)』を導入しました!
「nodoca(ノドカ)」というインフルエンザ検査の機器を導入しました!
「nodoca(ノドカ)」は、のどの写真を撮るだけでインフルエンザ検査が可能になる新しいデバイスです。適応は「6歳以上」となりますが、子供にとっては、痛みを伴わずに簡単に検査を受けられることがおおきな魅力です。
1. インフルエンザ検査の現状
従来のインフルエンザ検査は、鼻の奥に綿棒をつっこんで検体を採取する「鼻咽頭ぬぐい液検査」が一般的です。しかし、これは大人も子どもも不快感が強く、痛みを感じることが多い方法です。そのため、検査中に子どもが怖がったり抵抗したりする場面も多く、外来において患者さんも医療者側も負担が大きい課題でした。
2. 「nodoca(ノドカ)」の登場
「nodoca」は、のどの写真を撮影し、その画像をAIや機械学習技術で解析することで、インフルエンザウイルスの有無を判定します。写真撮影のためにしばらくのどを開けておく必要はありますが、痛みがないため子どもでも安心して検査を受けることができます。ただし、適応年齢は6歳以上となっており、年齢によってはのどをしっかり開けておくことができず、検査できないこともあります。
主な特徴:
- 非侵襲的な検査:綿棒を使用することなく、のどの写真を撮るだけで済むため、痛みや恐怖を軽減します。
- 5秒以上のどを開けておく必要がある:検査の際には、しばらくのどを開けた状態で写真を撮影する必要があります。
- 迅速な結果:AI解析技術により、短時間(約10秒)で結果がでる
- 高い正確性:nodocaの画像解析技術は、従来の検査と同等の正確さを持ち、信頼性の高い診断を行います。
ちなみに、形はこんな感じです↓
こんな風にして、のどを撮影します。このパンダちゃんはのどを開けてくれませんでした…
3. 発熱してすぐにでも検査が可能
今までのインフルエンザ迅速検査は、発病してから12時間以上たたないと結果が十分反映されませんでした。nodocaは熱が出てすぐでも、それなりの検査精度が保たれているため、1日待たなくても検査ができる、というのは大きな魅力です。
発熱初日でのnodocaの感度は約80%です。
4. 鼻の検査はもういらないの?
nodocaと比べて、今までの鼻をぬぐう検査も利点があります。発症24時間以上たつと、鼻ぬぐいの検査の感度は90%以上になります。
つまり、1日以上たっていて、検査精度を求めるなら、nodocaより鼻ぐりぐりの検査の方に軍配があがります。
そのため、発症日から発病1日経過ぐらいまでは、検査負担の軽減からnodocaを選択し、1日以上たっている、もしくは初回nodocaで陰性判定になった人でインフルエンザがそれでも疑わしい場合は、次のステップとして鼻ぬぐい検査をするのがいいのではないかと考えています。
5. 今後の展望
nodocaは、インフルエンザだけでなく、将来的にはコロナなど他の感染症や呼吸器疾患の診断にも応用されることが期待されています。検査には痛みがつきものですが、少しでも痛みが軽減されることは皆さんが願っていることと思います。
開発がすすむことを心から念じています。
まとめ:nodoca(ノドカ)の特徴
・のどを撮影するだけでインフルエンザの診断ができる
・痛みを伴わない
・適応は6歳以上
・おおむね5秒以上口をあけておく必要がある
・発熱初日でも感度は高めだが、24時間以上経過しているなら鼻検査の方が感度が高い
まだ運用をはじめたばかりなので、機器のトラブルや、あまりにも外来が混雑している時には、希望していただいても検査ができない場合があります。できるだけスムーズに検査を提供できるようにしたいと思っています。
発熱して、インフルエンザがあやしいのにお子さんが検査を嫌がってしまっている、というような場合は、ぜひご相談ください。