花粉食物アレルギー症候群とは?—スギ花粉症の人はトマトに注意!
4月になり、朝や夜はまだ寒いですが、お昼はだいぶ暖かくなりましたね。
スギ花粉がかなり飛散していて、花粉症に悩む方がまだまだ多く来院されます。
くしゃみや鼻水、目のかゆみなどが典型的な症状ですが、「特定の食べ物を食べると口の中がかゆくなる」ことはありませんか?
これは「花粉食物アレルギー症候群(Pollen-Food Allergy Syndrome: PFAS)」の可能性があります。特にスギ花粉症の方は、トマトを食べたときに症状が出ることがあるため注意が必要です。
今回は、花粉食物アレルギー症候群とは何か、なぜトマトが関係するのか、症状が出たときの対処法について詳しく解説します。
花粉食物アレルギー症候群とは?
花粉食物アレルギー症候群(PFAS)は、花粉症の人が特定の果物や野菜を食べたときに、口の中や喉にかゆみや違和感が出るアレルギー反応のことです。
これは、花粉に含まれるアレルゲン(アレルギーを引き起こす成分)と、食べ物に含まれるアレルゲンの構造が似ているために、体が「花粉が入ってきた!」と誤認して反応してしまうために起こります(交差反応と呼ばれます)。
特に、以下のような花粉と食品に関連があることが分かっています。
花粉 | 交差反応を起こしやすい食品 |
---|---|
シラカバ | りんご、もも、さくらんぼ、梨、キウイ、アーモンド |
イネ科 | メロン、スイカ、オレンジ、トマト |
ブタクサ | メロン、スイカ、バナナ、ズッキーニ |
スギ | トマト |
つまり、スギ花粉症の人はトマトでアレルギー症状が出ることがあるというわけです。
スギ花粉症の人がトマトを食べるとどうなる?
模擬症例
幼稚園年長児のAちゃん(スギ花粉症の疑いあり)
Aちゃんはまだ花粉症と診断されたことはありませんが、春になると鼻水が出たり目をこすったりすることが増えます。ある日、家でトマトのサラダを食べたところ、「お口がかゆい!」と訴えました。その後、少し唇が腫れたものの、15分ほどで症状はおさまりました。
→ 花粉食物アレルギー症候群の可能性があります!
どんな症状が出るの?
花粉食物アレルギー症候群の症状は、食べた直後から15分以内に現れることが特徴です。
軽い症状(多くの場合はこちら)
✔ 口の中や喉のかゆみ
✔ 唇の腫れ
✔ 舌がピリピリする感じ
✔ 喉がイガイガする
重い症状(まれ)
⚠️ 呼吸困難
⚠️ じんましん
⚠️ 嘔吐・下痢
⚠️ アナフィラキシーショック(血圧低下、意識障害など)
通常、口の中の症状だけで収まることがほとんどですが、まれに重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)に進行することもあるため、注意が必要です。
症状が出たときの対処法
✅ まずは口の中のものをだす:症状が出る食物がまだ口の中にある場合は出しましょう
✅ 抗ヒスタミン薬:アレルギーの薬(アレグラやクラリチンなど)を内服します。
✅ 重症の場合はすぐに病院へ!:呼吸が苦しくなったり、じんましんが全身に広がる場合は救急外来を受診してください。
トマトを食べても大丈夫?
「スギ花粉症の人はトマトを絶対に食べてはいけないの?」と思うかもしれませんが、調理方法によっては食べられる場合があります!
🔥 加熱するとOKになることが多い!
花粉食物アレルギー症候群の原因となるアレルゲンは熱に弱いため、加熱調理をすると症状が出にくくなります。
✅ 生のトマト → 症状が出やすい
✅ トマトジュース・ケチャップ → 多少の症状が出ることも
✅ 煮込んだトマトソース・トマトスープ → 症状が出にくい
「生のトマトを食べると口がかゆいけど、ピザのトマトソースは大丈夫だった!」という人もあります。
どうやって診断するの?
問診
まずは問診が重要です。どのような食材で症状がでているのかを確認し、合わせて花粉症があるかどうかを確認します。
今回のように、トマトで口の中がかゆくなって、スギ花粉症がある、というようなことがわかると診断に結びつきます。
血液検査
血液検査でアレルギーの状況を調べます。
花粉のアレルゲンを調べることで診断に結びつきます。
当院では、ヒジからの採血でアレルギー検査を行っています。検査ご希望の方はご相談ください。
まとめ
✔ スギ花粉症の人はトマトでアレルギー症状が出ることがある(花粉食物アレルギー症候群)
✔ 口の中のかゆみ、喉のイガイガ、唇の腫れが主な症状
✔ 重症例はまれだが、呼吸困難やアナフィラキシーに注意
✔ 加熱したトマトなら食べられることが多い
もしお子さんが「トマトを食べると口がかゆい!」と訴えたら、花粉食物アレルギー症候群の可能性があるので、症状をよく観察してください。
この春、花粉症対策と一緒に食べ物のアレルギーにも気をつけていきましょう!
「これって、花粉症からくる症状なのかな?」
「検査したほうがいいのかな?」
など、ご不安なことがあれば、ぜひご予約していただきご相談ください!