最近はやっている溶連菌とは?よくある症状と治療について解説
- 2023年10月26日
- 医学
最近、箕面市でも溶連菌の流行がみられています。いろんな感染症が流行っていると、熱が出たときに何に感染しているのか不安になってしまうと思います。今回は溶連菌にフォーカスをあて、どんな菌なのか、どういった症状があり、インフルエンザやコロナとはどのあたりが違うのか、について解説します。
そもそも溶連菌とは?
溶連菌は細菌の一種でノドに感染をします。発症すると、急な発熱や激しい喉の痛みを引き起こします。主に冬から春にかけての寒い季節に多く見られます。
溶連菌は正式には溶血性連鎖球菌といい、種類があります。幼稚園・保育園・学校で感染するのはA群β溶血性連鎖球菌です。生まれたての赤ちゃんに感染して重篤になるタイプもあり、それはB群溶連菌です。出産前にお母さんが受ける検査はB群溶連菌がいないかどうかをみています。
溶連菌感染のサイン
溶連菌の症状は、熱と強いノドの痛みです。ノドはかなり赤くなるので、ご家庭で確認しても真っ赤であることが分かるケースもあります。首のリンパ節が腫れることも多いです。たまに軽い腸炎症状を伴うことがあり、1~2回程度の嘔吐する子もいます。発疹がでることもあり、よくあるタイプが腕や足に点状の小さめの発赤がいくつかパラパラでるパターンで、このパターンをみると溶連菌を疑います。
インフルエンザやコロナウイルスの感染でもノドが痛くなりますが、溶連菌と比べるとノドを見たときの赤さが強くないことが区別するポイントです。
溶連菌の診断と治療
ノドに強い発赤がある、首のリンパ節がはれる、周囲に溶連菌が流行している、など溶連菌を積極的に疑う状況があれば、検査を行います。綿棒でノドをぬぐう検査で、10分~15分ほどで結果がわかります。
治療は抗生剤の内服です。ペニシリン系を処方するケースが多く、しっかり内服すると1~2日ぐらいで解熱し症状もおちついてきます。抗生剤内服で、速やかに熱がさがっても合計10日間の治療が必要です。中途半端に治療してしまうと、あとから心臓や腎臓に影響する可能性があることから、しっかりと飲み切ることが大事です。
予防策と家庭での対応
溶連菌は飛沫感染をするため、咳エチケットやマスクの使用が予防に役立ちます。接触感染の可能性もあることから、手洗いやおもちゃなど共有するものの消毒が大事です。
溶連菌に感染すると、出席停止になります。薬を飲み始めて24時間以上たって元気であれば、学校や幼稚園などに行くことができます。
熱やノドの痛みが治まるまでは、水分をとったり食事をとってゆっくり休むことが大事です。食事をとれなければ、プリンなど食べやすいもので栄養をとってください。
Q&A: よくある質問とその答え
Q:抗生物質を処方されたが、症状が次の日にまだ改善しない。これは正常?
A:はい、抗生剤によく反応はしますが、少し時間がかかります。通常、薬を始めてから24~48時間で症状が軽減するケースが多いです。飲み始めても2日以上症状が軽くなる様子がなければ、別の薬の方がいいのか、別の感染症を合併していないのか、といったチェックが必要になります。
Q:溶連菌感染症は再発する?
A: 溶連菌感染症が治っても、しばらくしてから再び感染する可能性はあります。薬をうまく飲めなかった場合に、菌がなくなり切らず症状が再度出てしまうことはあります。
Q:幼稚園や学校に行っているので、1日3回の薬が飲めません。
A:抗生剤は食後の内服でなくても大丈夫です(飲むタイミングをわかりやすくするため、食後としているケースは多いです)。学校などに行っている子であれば、朝、下校後、寝る前、の3回に分けて飲む方法もあります。
うちの子は溶連菌かも?とご心配になられたら、受診して相談してください。
予約なしでも来院していただけますが、WEB予約していただけると診察はよりスムーズです。